私達はレコードのレーベルを、レコード製造の年代やレコードの品質を判断するときに利用しています｡

年代順にレーベルを並べてみれば分かりますように､古い年代のレーベルやジャケットが デザインや印刷、色調に凝っており､新しくなる程に簡素になっています｡それはあたかも 製造過程の力の入れようと同じ気がします｡

下記のレーベルの表示は､良いレコードを意味しています｡

約５０年代

約６０年代

約７０年代

ビ

ク

タ

|

赤銀，Lex

半月，犬

ＳＤ，Ｖ

白犬

箱犬

コ

ロ

ム

ビ

ア

青，Ｖ

６アイズ，Ｖ

６アイズ

２アイズ，Ｖ

２アイズ

グ

ラ

ム

フ

ォ

ン

チューリップ，Lex

チューリップ

ＤＧ

デ

ッ

カ

ｆｆｒｒ，橙，

大（デッカ）

金

ｆｆｓｓ，黒，

中（デッカ）

ｆｆｓｓ，紫，

中（デッカ）

紫，

小（デッカ）

キ

ャ

ピ

ト

ル

緑，Ｖ

緑

金緑

レインボー，Ｖ

レインボー

エ

ン

ジ

ェ

ル

半月，赤，Ｖ

半月，赤

エンジェルＶ，赤

フラワー，黒線

フラワー

ロ

ン

ド

ン

赤，Lex

ｆｆｒｒ，赤

ｆｆｓｓ，黒

ｆｆｒｒ

ＳＴＳ

Lex（レーベル）

レコードの淵がフラットなもの（一番古い物にあり）

COLH（番号）

SP復刻の比較的古いもの

ASD（番号）

オーディオファイルレコード、良質、（６０〜７０年代）

SR90000（番台）

オーディオファイルレコード。非常に良い

D-,33D-,33DH-（番号）

元ロシアのメロディア盤で希少品！

　他にも色々ありますが、モノーラルの時代やＳＰ時代によっても異なります。 情報が不十分な第二次世界大戦前後に、ハングリー精神をもった素晴らしい演奏家や技術者が沢山存在していました。世界の企業が高度な発展をしているなか、会社のメンツにかけてレコーディング技術も実験が繰り返し行われ、技術者指向の良い製品が出来たのだと思われます。 そのころはレコードの価格は簡単に買うことができない程高価でした。その後、そのような会社も大きくなり、販売指向の価格競争が始まり、大量販売を目的に段々と品質が落ちたのだと思われます。簡素化された最後の製品がＣＤソフトです。子供達でも買うことの出来る安価なＣＤソフトも必要ですが、良い品質のＬＰレコードを絶やす事が、非常に残念だと思うのです。

　中古レコード市場には､現在作ることの出来ない良いレコードが沢山存在しています｡ 希少品が数万円するのは当然の事でしょう｡ 一枚、数万円のレコードを買ったと言ったら馬鹿にされたという話を聞きました。レコードは聞く人により価値が変わります。レコード１枚と考えれば高いと思いますが、そのレコードには生演奏で聞けるチャンスのない演奏が非常に良い音質で録音されていたとしたらいかがでしょうか？高くは感じないのではないでしょうか。しかし良い音質で良い演奏が録音されているかどうかの価値の判断は、ステレオシステムの良し悪しでも差があります。そのレコードの価格が安く感じれば、良いシステムです。高く感じれば、あまりうまく鳴っていないと思われて良いと思います。ジャズやクラシックの中古市場では希少品という理由だけで高い価格になっているのではありません。その演奏の価値や音質の価値を認める人が多いものほど高価になっています。

　ジャズの良き時代（１９５０年代）はモノーラル録音です。あの有名な録音技術者 ルディ・バン・ゲルダーはステレオ時代になっても納得がいかず、モノーラルの録音を続けたほどです。彼の他にも、有名な技術者がステレオ時代になった為に、不本意な仕事はしたくないと言って退職しました。その彼らの本物への執着心を理解するには、本物 （正しく作られたもの）のモノーラル専用カートリッジ無しには出来ません。